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ランフィスとヤナギと-1
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優斗は前々からこちらの世界の知識が乏しい事を気にしていた。
この機会に、ランフィスのパートナーになるのならば色々な常識的な知識も必要なことであると、そう主張して勉強することを頼み込むことにした。
──それで……。
ヤナギと優斗は無事一緒に勉強する運びとなった。特に他に家庭教師など見つける事もなくビィがそのまま教えることとなる。それは、魔道を扱う人たちは色々な知識を持っていて、魔道士の最高峰であるビィはうってつけであるのと同時に、"特殊"な存在である優斗とヤナギの2人に教えるのはビィにしか出来ないからだ。
ランフィスは"優斗とヤナギが一緒に"というのを嫌がるような様子だった。だけど、ビィは何故か優斗とヤナギが一緒に勉強をするという事には賛成していた。
「誰かと一緒に学ぶというのは良い事です。一人で学ぶよりも効率がいいのです。それに、それとは別に他の理由もあります」
「その"別の理由"とは一体なんだ?」
ランフィスが聞くとビィは説明をはじめた。
「ヤナギとユウト様が日中一緒にいるというのは安全面でとても良いと言えます」
その答えにランフィスは不思議そうな表情をした。ビィは構わず続ける。
「ここは結界もあり安全です。ですが、先日の事件の事もあります。常にユウト様を護る侍衛は必要です」
今はまだ、動きは無いけれども、闇の皇子がいつまた何をするか分からない。
「あれだけでは収まったとは思えないのです」
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