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ランフィスとヤナギと-2
ビィのその説明を聞いてランフィスは改めて問い返す。
「それは、ヤナギを侍衛にすると言う事か?そんな事が出来るのかあれに?」
「ヤナギは今は私の術でもって抑えておりますが、妖としての能力がとても強い。抑えていてもです。さらに普通の人間よりもはるかに身体能力も高いです。ユウト様の侍衛にはとても良いと思われます。本当ならばもっとヤナギを慣れさせてからと思っておりましたが良い機会です」
それを聞いて暫く考える様にランフィスは黙ってしまったが、畳み込むようにさらにビィが力説した。
「妖の血を引いているヤナギは本来ならあまり人とは馴れ合わないはずです。ですが、とてもユウト様にはなついています。それ故、ユウト様に危害を加える者には容赦はしないでしょう。ヤナギがこちらの常識や知識を得た後は封印している妖力を開放しようかと思っております。そうなれば、ヤナギはユウト様にもさらにランフィス様にとっても最強の侍衛となるはずです」
………
……
そんなこんなで、優斗はヤナギと一緒に文字や言葉などこちらの一般的な教養とか諸々を学ぶことになった。
ランフィスはビィがそこまで言うのならば反対する理由もないと了承した。
ただ、ランフィスが最後まで難色を示していたのは……。
"ヤナギと優斗が二人で"いることだった。本来ならば他の誰もいなくても常に傍で護衛をしていなければならないので当たり前のことなのだが……。
「これがヤナギが普通の人間ならばよかったのだろうが、獣人、いや半分妖という良くわからない素性の者だ。こちらの常識が通用するとは限らない」
そう言って、ランフィスは苦肉の策で、執務室のすぐ脇の続き部屋を開放してそこを二人の勉強室にした。部屋からすぐ見えるところだからという理由だった。執務室の書庫のような所だったので、そこにあった書類は別に移されることになった。
ランフィスにとっては自分が嫉妬しているという事はそれとして、他に理由が欲しかったのかもしれなかった。
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