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その日-2
「私とレイアの気を生み出す力が潰える時が来たんだ。その瞬間に私は継ぐ者であるランフィスに今までの皇の記憶と知識をすべて授けなければならない。そして、それぞれのパートナーはそれを見届ける。私たちは今までそうやって皇の交代を行ってきたんだ。それが"今"なんだよ……」
「どういう事……?」
優斗は説明されてもやはりよくわからなかった。
「大丈夫だよ、ユウトは私と上皇のやり取りの全てをそこで見届けてもらえばいいだけだから」
そう言うランフィスは緊張した面持ちをしていた。
「これは、大事な儀式である。これを執り行わなければ正式にはランフィスは皇にはなれない。そしてこれは、皇とその継ぐ者とそれぞれのパートナーとでしかできない事だ。ここには他の誰もいることはできない」
バスティンがとても厳かに言う。それを聞き終えたと同時に優斗はレイアにそっと手を引かれて2人の傍を離れて端にある簡単な椅子に腰かけるように促される。
すると、
ランフィスが両手を地面と平行に挙げ、何かが降り注ぐのを待つように手のひらを上に向けた。バスティンも同じように、だけど、手のひらは下へ向け丁度ランフィスの掌の上に載せるようにした。ランフィスとバスティンの手のひらが上下と重なる。
──その瞬間
音のない音と光とそして………
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