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その日-4
「ユウト?」
ランフィスの呼ぶ声で気が付く。
「………何が起こったの?」
「上皇と交代の儀を執り行った」
「交代の?それはランフィスの即位の式なのではないの?」
優斗は未だ、よくわからないまま、ただ疑問を口に出す。
「それは公での儀式。実際は今をもってして私が全権を担うこととなる。それを世に知らしめるのは今からの気の放出を持って周知する」
ランフィスは今までのように祈りの櫓の気を放出する場へ行き気の放出を……すると、ぶわっと膨らむように光り輝く……それは、
………それは、優斗が今までに見たこともない色の気の光の束だった。
「すごい綺麗……」
ぼんやりと思わず言う。七色のいやそれ以上の光の渦。優斗はそれをしばらくぼーっと見ていると、だんだんと我に返ってきた。
「前の皇様とレイアが消えたみたいに見えたよ?どういうこと?」
なんで消えたんだろう?なぜ?優斗にはそれが何かとても大事な事なような気がした。
「消えてはいないよ」
だけどランフィスはそう答えた。
「……そう…なの…?」
消えたように見えただけなのか?……だけど?と優斗はさらに聴こうとした。すると、どこからか、鐘の音が鳴り響いた。さらに、その鐘の音が合図になるように、別の場所でも鳴った。それがもっとあちこちから一斉に鐘の音が聞こえてきて……まるで世間すべてが鳴り響いているみたいだった。その圧倒される出来事に優斗は聴きそびれてしまった。
ランフィスは鐘の音を聞きながら、
「皆が知ることになる」
そう言った。
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