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公になる-3
優斗は実際にその器械絵での自分の姿を見てみた。
(……なんか肌真っ白すぎない?これ写真の所為なの?ってか普段、鏡でみるよりもっと白く見えるんだけど。それに、俺こんなに細かった?)
そこに写っていたのは、真っ白で、身体にぴったりとした丈の長いアオザイのような服を着て少し長くなっていた髪をまとめて淡く微笑んでいる姿で…。
(普段の鏡で見る姿は左右逆のものだから、実際はこの器械絵で見る姿の方が皆から見た姿なんだろうけれども……だけど…)
肌が白いのはこっちに来てからあまり外へ出ない所為。あと、髪も伸びてる所為。
向こう側の世界に居た時よりも髪の伸びが早い気もしたし。細く見えるのは…ここの人達はみな大きい所為で自分がそう見えるだけ…そう優斗は心の中で言い訳めいた事を思って自分をごまかしてみた。
だけど画像は正直で鏡で見るよりも第三者的に見ることが出来る。
一見ティアラにも見える髪飾りがキラキラしていてそれがまた綺麗で優斗は自分でも実は本当に女性だったのかも?とか思ってしまうほどで、
(うわあ………これじゃあ。女とか言われたのも仕方がないよ……)
色々と嫌になって来た。
そして、ランフィスはというと、白い正装と皇の紋章を表す文様があるマントを羽織っていて、それがランフィスの銀色の髪に合って映えていた。いつもよりもさらに美麗で凛々しかった。
(向こう側の世界にこの画像をもっていったら本当に何かのファンタジーの映画かCGでできたものに見えるよね……)
優斗にはまるで現実感がない映画の一コマに見えた。だけどこれは
"リアルなんだ……"
何時か向こうの元の世界に戻れたならこの世界のこの場面 を誰かに伝える事が出来るのだろうか……と思った。
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