268 / 379
公になる-5
下女のヨウは驚いた同時に、なにかとても嬉しくなっていた。
(……新しい皇様のパートナー様と話したなんて、しかも異世界の人だったなんて)
だからちょっと変わっていたのか、自分を見ても醜女と言わないないで容姿を褒めてくれた。ヨウは映像を見ながら改めて思った。異世界の人はこんな綺麗な人ばかりなんだろうか?でも昔からの噂だと、向こう側の世界の人は、がさつで乱暴だと聞いたのに。でもまるで優斗は真逆だった。
"……もう一度会ってみたい"
と、ヨウは思った。だけど、こんな所にいる自分はもう二度と会うことは無いのだろうなとも思った。
そして、イハクは。
イハクは優斗が皇子のパートナーであったという事を知った後でも、半分信じて半分信じていないようなそんな感覚で今までいた。それは、皇宮から正式に宮廷画家の権利を得たという知らせを聞いてもだった。イハクが実際皇宮へ行って優斗の肖像画を描くのはランフィスの即位式と優斗のお披露目の後であったから、まだ優斗には会えてはいない。
イハクはそんな中、即位式とお披露目を迎えてのランフィスと優斗の様子を流していた映像を見た。
(本当に本当にユウトはランフィス様のパートナーだったんだ。会った時よりもさらに綺麗で輝いている……)
イハクは他の誰よりも衝撃を受けた。こうやって映像で見るとそれは現実であったと改めて突き付けられる。
「やっぱり現実だったんだよなあ」
小さく呟く。
あと半月も経てば、優斗の絵を描くために登城することになるだろう。その時をイハクは少し怖いような、だけど優斗にまた会いたいという気持ちも相まって複雑な気持ちであった。
…………
……
…
.
ともだちにシェアしよう!