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衝動-3
「どうしたの?今日はなんだかおかしいよ?」
昼間の事もあり、優斗は改めてランフィスに様子を聞いてみた。
「……今日、イハクの絵を初めてみた。彼の絵は他のものとは違っていた」
そんなことを言い出す。
「うん。イハクの絵ってなんか他とちがうよね?」
「何よりもユウトの表情の描き方が他のものよりも段違いだ」
ランフィスがものすごくイハクを褒めているので優斗は嬉しくなった。だけど、ランフィスは突然、
「……ユウトはイハクと仲がよいよね?それはどうして?」
そんな事を言った。
「……え?」
優斗は、急な事に何と答えていいかわからなくて固まってしまった。でも、
「……えと、それは、最初、イハクの所に来てくれた時に説明したはず?」
そう答えた。
「……助けてくれた…と最初そう言っていた。……だけどそれは本当?」
「…え??本当?……だけど」
(助けてもらったのは事実。それは本当のこと、だけどそれはそれ"だけ"ではなかったから。そんなこと言えるわけないよ?)
優斗はランフィスの意図が分からなくて戸惑ってしまう。ランフィスはそんな様子を見透かすようにさらに畳みかけるように言う。
「わかった。それは事実だとして。だけど、それは本当に"それだけ"?だったの?」
「え……?」
優斗はまさに、どぎまぎというのはこういう状態?という感じになってしまった。
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