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衝動-5
ランフィスの瞳がせまっている。優斗は思わず目を伏せてしまう。何を言っても言い訳という事には変わりがない。
「わかってる。ユウトは嘘が付けないことは、だからユウトの身に何があったのか本当の事を知りたいだけなんだ」
「……あの…」
優斗はどうしていいかわからない。
「ちゃんと目を見て言って?」
目を見てそのままでいられるわけない。
(……もうなるようになるしか……)
だから優斗は小さく
"……スはされた……"
そう言った。
"……?なに?"
ランフィスもささやくように聞き返す。
"……キスされた……”
もう一度そっと優斗は言うと、するとランフィスは一瞬"?"っという顔をしてまた聞き返す。
"……キス……?
そう言われて優斗は静かに頷く。
"何処にされたの?"
同じように静かに聞かれて優斗はもっと小さい声で答える。
"唇と……首……?"
それを聞いたランフィスは一瞬黙る。
今度は先ほどと違って優斗は、
「あ、あのね、あれ、でも、しょうがないんだ。俺、自分の事言ってなかったし。何も話してないし、イハクは俺の事、娼楼の子だと思ってたし・・それに。俺。落ちた時、何処にいるのかわからなくて、ランフィスのパートナーとか言っていいのかどうしようとか、、。闇の国の事もあったし。味方とかもどうなのかわかんなくて……話すタイミングが・・それで……俺の身分をあかした後は全くそんな事もしなかったよ?それで……あの、イハクの事を咎めたりしないでほしい・・俺の所為だし・・。それに娼楼にそのままいたら確実に俺、もっと大変な事になってたし……助け出してもらったのは本当だし……だから……」
思いつくままに、どんどん必死に話した。
(もう、言い訳っぽくなってもいいや。だって、イハクがものすごい罪になったら……皇族になにかしたら不敬罪?それで・・まさか・・)
最悪の事を考えてしまう。
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