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衝動-6※
ランフィスはふぅとため息をつく……
「キス……だけ?か」
優斗はこくこくと頷く。
「もういいよ……。わかったから。ユウトが思っているような事にはならない。それにイハクが何か罪になるなら、その前に、ユウトを娼楼で扱おうとした娼楼の主人のほうが罪は重いな」
「…え?…あ・・」
(そうだった。サンガ。・・だって俺が上から落ちて店の天井を壊して迷惑をかけたのに、サンガだって俺がランフィスのパートナーとか知らなかったし……サンガは単に娼楼のルールで俺を扱っただけなのに……)
「……サンガが何か罪に?……」
優斗はさらに焦った様子になる。
「彼女については…。レイアからも色々言及もあったし。それに、陽の国はそんな理不尽な事で無暗には罪にはしない。私もユウトが悲しむのは見たくない」
それを聞いて安心した優斗はほっとしたように、
「……よかった……」
嬉しそうに呟いた。しかし、ランフィスは急に、
「……だけどね?」
そう言って、何かイラっとしたようにそのまま、優斗を引き寄せて、その唇に優しくチュっと音をたててキスをした。
「だけど、ユウトにキスしたのは許せないな……しかも唇?」
驚いて優斗が固まっているとランフィスは、唇へのキスを止めてから、そのまま、床の上へ優斗の身体をそっと押し倒した。床は柔らかくて毛足の長いラグが敷いてある。だから柔らかくて、ふわっという感じになり、特に乱暴な感じはしなかった。だけど突然なことで優斗は吃驚して戸惑う。
(……え?ランフィスってこういうキャラだっけ?こんなに衝動的になる……人?)
ランフィスはもう一度、キスをする。柔らかいキスではなく、もっと激しくきついキス、その舌がどんどん優斗の中を蹂躙する。
"息が・・できない?"
どうしていいかわからなくて、ランフィスのキスが止むと、優斗はやっと落ち着いた。
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