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語らい-3
「何故今はないの?」
優斗はものすごくシンプルに疑問に思った。
「魔導士をはじめ特殊な力を持つものが極端に減ってしまったからだ」
「え?……それってどういう事…なんだろう?」
「一律的な一般的な学問を高めるとそれに囚われすぎ、元々の潜在的な力を薄めてしまった。こちらの世界では能力、特に魔道の力が大事となっている。それが無くなってしまう制度はだめだ」
「向こうの世界でもそうなんだろうか?もともとの能力を失わさせてしまう…のか?」
「……だから向こう側とこちら側の世界の引き合いもなくなったのかもしれない」
そういう事なんだろうか?優斗は思った。
(たしかに向こう側の世界ではそういうのは殆ど都市伝説のような胡散臭いものになっているよね)
「だけどね、学校は楽しかったよ?勉強だけじゃないんだよ」
それを否定するように優斗はランフィスに学校の日常を色々話し始めた。クラスの事、授業の事、先生の事……それから、
「……それで…同じぐらいの年の子と過ごすのは楽しいし、何でも話せるし。あと部活とか、俺は本が好きだったから図書委員っていうのをやっていた、部活っていうのは……」
それぞれがランフィスには聞きなれない単語で聞きなれない事柄だった。色々説明する優斗は楽しげで嬉しそうだった。
「……だから、イハクはなんか学校の友達みたいに思ったし、ヤナギはなんか下級生みたいと思ったんだよね」
そんな優斗の様子を見ながらランフィスは唐突に聞いた。
「ユウト……戻りたいっていう気持ちは未だにあるか?」
「……え?」
少し間を置いて考えながら優斗は答える。
「……わからない。ごめん。でも、もう俺はここにいるしかないと思っている」
それは、決意のようだった。
…………
……
…
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