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向こう側へ-5

「ランフィスがあなたを信じて話したように、あなたも自分を信じてください。もしあなたがこちらへ戻るつもりもないのならば最初からこんなに悩まなかったでしょう?」 (それは……。ここに来る前からいや最初から心は決まっていたのかもしれない・・。不安がっていたのは、それは自分を信じていなかったから……?) 優斗はぐちゃぐちゃしていた心がきちんとまとまって行くように感じた。 「……突然来て色々話を聞いてもらって申し訳ありませんでした」 「……いや、いいですよ。切羽詰まったあなたを見ていると昔の自分を見ているような気がして、なんだか懐かしくなりました」 「………?」 (……昔の?ってなんだろう?) 優斗はふと……そういえばバスティンは体が弱かったから色々とあったのだろうか?とそう思った。それとも、他にもあったのかもしれない。 淡く脆いそんな印象なバスティンだったがさらに今は儚くなっていた。 「もう表から退いてしまった私には、こんな事でしかもうお役に立てない・・。それに・・・」 とそこで、バスティンは話を切ってから、ものすごく小さく囁くように呟いた。 "もう私の時間は、そろそろなくなるから……" 優斗にはその言葉は聞き取れなかった。 ……… …… それが行うことが出来るのは何度もなく それは最も月が大きく見える時の ………… …… .

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