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現(うつつ)-1
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───キラキラ光る水しぶきが包み込む、風の中で舞い上がり上へ上へと高く飛びそして木の葉のように下へ下へ落ちて行く。ずっとどこまでも下へ……・・。
優斗が覚えていたのはそんな光景だった。それが夢なのかそれとも何だったのか?すごく深く深く眠っていたようだった。
……頭が重い。早く起きないと……
(起きないと?)
そこで優斗はパッと目を見開いた。
と・・・。
優斗の目の前に白い天井が見えた。煌々と蛍光灯が照っていてすごく眩しいぐらいだった。何処からかピッ、ピッ、ピッと定期的に電子音が響いていた。
"あれ?"
ここって?
優斗が辺りを見ると、どうやら自分は白くてぱりっとしたシーツと白いカバーの布団が掛かったベッドの上にいるようだと分かった。
(ここは?えと。俺ってどうしたんだっけ?)
頭の中がぼんやりして靄がかかったみたいになって優斗には今の状況が分からない。不安げにキョロキョロともっとよく周りを見回してみた。天井にはベッドに合わせてぐるっとカーテンレールがあって白いカーテンが天井からかかっていて……
(ここは病院のベッド?)
ふとベッドの足元を見ると、そこに
「あ……」
思わず声をあげてしまった。
(かあさん……?)
そこに、椅子に腰かけて転寝をしている優斗の母親がいた。なにかすごく久しぶりに母親を見た気がした。
(かあさんに色々話さないといけないんだ……!)
──って何を?
(何を話すんだっけ?っていうか、かあさん仕事は?海外から帰国したの?)
優斗が声を出したので、転寝をしている母親が目を覚まして優斗と目を合わせた。すると、ものすごく驚いた様子と涙声で叫ぶように言う。
「……優斗!よかった………優斗……」
そして、慌てた様子でベッド上のナースコールを押した。
「優斗が目を覚ましたんです!先生を呼んで!」
………
………
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