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逢魔が時-1
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優斗は淡々と語りだす。
向こう側とこちら側の世界と、そのつながりとランフィスと、"印"の話…。それからギオの話、そして自分の役割…… 。
順序だって話すのには大変で、きちんと伝わっているのか優斗には分からなかった。話していくにつれて2人の表情が曇りぎみになっていくのを見て優斗は不安になった。
だけど、途中に言葉をはさまずに両親は最後まで話を聞いてくれた。一通り、聞き終わると、2人とも何と言っていいかわからない様子ですぐには言葉を返さない。まさかこんな話をされるとは思ってもみなかったのだろう。
母親は優斗が言っている事は信じられないけれども、嘘は言っていないと確信はあった。それは、もう優斗を小さい頃から見てきた"母親の勘"とかしか言えない。
(……優斗が嘘を言っているとはとても思えない……だけど、優斗の言っている事をどうとらえていいかわからない……)
とまどっている母親だったが。しばらく黙っていた父親が口を開いた。
「その話を信じてやりたいが、俄には信じがたい……だけど、優斗が嘘を言っているわけではないというのはわかった、だけどな……」
そして、じっと考えながらさらに言葉を続ける。
「……現実的に考えると、実はお前が犯罪か何かに巻き込まれているとか、そう言わざるを得ない状況になっているんじゃないだろうかとも思う」
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