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逢魔が時-5
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はっきりと姿を見せ始めるその影。
そこにいたのは、いつにもまして燃え上がるように真っ赤な瞳の。
「……ギオ?なんで?」
驚く優斗。
ギオが優斗の手をぐいっと引き寄せる。その強い力で優斗は倒れそうになった。
"何故ここに!?"
忌々しそうに言うランフィス。
"相変わらずお前は甘い。すぐ痕跡を手繰ればわかること"
以前、優斗を路地から向こう側の世界へ引っ張ったのはギオだ。あの時も……。ランフィスと優斗の印の引き合いの跡を手繰り来たのだった。
ランフィスはすぐさま自らもっている剣を振りあげ、
"ごめんユウト少し目を瞑っていて"
そう言って躊躇なく優斗を掴んでいるそのギオの腕へ剣を振り下ろして斬る。その動作があまりにも早くギオには何が起こったのか分からない。
"っつーーーーーーぐがぁっ!!"
ギオは鈍い叫び声を上げる。
その斬れた腕からギオの血が…噴き出て……いると思われたが、だけどそこには細く黒い煤のような煙が出て、腕の周りに渦巻いていた。
ギオはそのまま優斗から飛びのいて離れたかと思ったらぎゅっと小さくなって礫になった。そしてそれは、外の迫って来た暗闇へと飛び込み溶けるように消えた。
"今のは本当にギオだったの?"
"あれは、ギオの影だ。ギオの形をしたもの。本体ではない。でも時期に本体も来る"
優斗の両親は一体何が起こっているのかわからなくて言葉もなかなか出すことも出来なくて固まっていた。
「何だ?なんなんだ!?」
「一体何が起こったの!??」
父親も母親もしばらくしてやっと声をだした。
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