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狭間の-2

……… ………… 黒い何も見えない空間へ吸い込まれるように消えて行った2人をどうしたらいいのか、どうしたら助けられるのか、優斗にはわからない……。 本来なら"この場所"はすぐさま通りぬける空間であった場所。そこに、ふいに現れたギオがその"場"を乱した所為でおかしくなってしまった。 優斗はどうすることも出来なくて、吸い込まれ2人が消えたその空間を茫然とただただ見ているしかなかった。 だけど、そのうちに何故か意識が遠のいて行く……。 意識が遠のくその一瞬の時に優斗は (ここで気を失ってしまったらだめだ……だって、ここから俺は一人で陽の国へ行かないと……帰ったら誰かに助けを……) そう思ったが。だけど、意識を保つことが出来なかった。 ……… …… 優斗が気が付いたのは、祈りの宮の前だった。 祈りの宮の前へ倒れていたようだった。 「帰って来た?」 ただ祈りの宮はくずれ落ちていて、屋根も壁も崩れていた。 (地下にあったあの泉は無事なの?) 泉がもしどうにかなっていたら、自分のいた世界へ戻る方法がこれで、本当に無くなってしまった.....と優斗は漠然と思う。 (ランフィスを向こう側とこちら側への道の時空間へ置いて行ってしまった……) そっと起き上がり呆然と崩れている祈りの宮を見上げる。 ………どうしたらいい? ……… …… .

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