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狭間の-4
……
…
ギオは先に影を斬りつけられたそのダメージの所為で動きが徐々に鈍くなってきていた。だから、再び避けることが出来ない。
「ぐぁっ…!!!」
今度は、影のように、黒い煙のように消えるわけではなく、肉が裂けて、そこから赤い血が滲むように広がった。ギオの息も荒く浅くなってきた。
「ランフィス、お前はただ印 があるだけでユウトを欲している癖にな……」
そう言いながらふらついて、倒れこんでしまったギオ。その上へランフィスが乗り上げた。
「それは違う。ユウトはそれだけの為の人ではない」
「それは?どうだか?」
「お前こそ、どうだろう?私とお前は陽の国と闇の国の表裏の関係。何故自分がユウトを欲するのか分かっているのか?それこそお前の言う通りだろう?それは印 があるから気になるだけだ。印に引きずられているのにすぎないのではないか?」
そして、ランフィスがギオの喉元へ剣を刺し貫こうとした。
「……それは……」
「……認めるのか?」
ギオが、気になるようなことを言い始めてランフィスは思わず手を止める。
「……いや、俺がお前の事をこうやって殺めたいのは何故なのか?ってね?だけど、同じ印をあるものを欲する者は2人はいらないから……そういうことだ」
その……時。2人の足元が突然崩れる。時空の歪みの狭間から狭間へと、さらに2人は深く入り込む……。
だけど……
『ランフィス……』
どこかで、呼ぶ声がした。
いつかいつもランフィスが優斗を探す為に呼んでいた…その優斗が今度はランフィスを必死に呼んでいる
……その声。
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