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帰還-1
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優斗はただただぼんやりと崩れてしまった"祈りの宮"を見あげていた。
どのぐらいたったのだろうか。
(誰かいる?)
優斗は少し離れた場所に人影があることに気が付いた。祈りの宮はあまり人気のない場所にあるので、人がいることが珍しい。
その影の主が誰かと確認しようと優斗は目を凝らす。すると、
「ユウト?」
その人影が言った。その声を聞いて、優斗は誰であるかが分かった。
「ヤナギ!?」
それはヤナギだった。
(ヤナギの声をきくと……なんだか戻って来たって感じる……)
優斗はそう思った。
「ユウト!帰って来たんだね?」
ヤナギを見ると優斗が向こう側へ行った時からあまり変わっていない様子だった。
(俺が向こう側へ行ってこっちに戻って来て……いったいどのぐらいの時間が経っているんだ?)
ヤナギは嬉しそうに優斗に駆け寄って行った。だけど優斗は、
「ヤナギ、俺はどのぐらいここを留守にしていた?なんで祈りの宮がくずれているの?」
色々聞きたい事が多すぎて一気にまくしたてるようにヤナギに聞いてしまっていた。
「ちょっと…!ユウト落ち着いて!?」
ヤナギはその優斗の様子に驚いていたが、
「……落ち着いて…えと、ね、俺さユウトの事、頼まれたんだ。ランフィス様に」
そんなことを言った。
「……え?どういうこと?」
優斗は不思議に思ってヤナギに聞き返す。
「えっとね……ランフィス様は、向こう側へ行くからって、もしかしたら、こちらへなかなか戻ってこれないかもしれないし、その逆もあるかもしれない。それに、ユウトだけ、戻っているかもしれないからって……その時は祈りの宮にいるかもしれないからって。だから……」
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