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帰還-4
「それはそうなのですが……私が言いたいのは」
「………わかっている……ユウトは……」
ランフィスは暫く黙っていたが、ビィにはこれ以上黙っておくことはできないと思って口を開いて、
「………ユウトは向こう側へ行った」
そう言った。それを聞いてビィは驚いて一瞬、黙りこんでしまった。
「向こう側へ落ち人となって行かれたのですか……?」
「……それは、違う」
「……ではどうやって?」
ランフィスはビィをじっと見つめ、すぐにはそれに答えずに暫く考え込む。
(もしかしてビィは、なんらかの方法が"ある"という事は気が付いているかもしれない……)
だからあえてビィに聞いてみた。
「……それは知っているのではないか?」
ビィはランフィスに対してどういう反応をしていいのか考えあぐねているようだった。
「…………ランフィス様は私を買いかぶりすぎではありませんか?」
そう言って微笑んだ。
「……そうか……?」
「………今は引き合いによる行き来は皆無。落ち人として向こう側へ行かれたのではないとしたら……それは、知られていない方法によるものという事ですか……?」
「……そうだ」
「……それは……?」
ビィは聞き返した。だがランフィスはそれには答えない。
「………その方法は一般には知られてはいない」
「……一般には……?それはどういった・・・?」
「……皇だけにしか伝えられていないものだ。だからこれ以上の詮索は無用だ」
ランフィスはそう言ってビィが更に言及するのを撥ねつけた。
「………わかりました……失礼いたしました」
ビィは何も言えず引き下がるしかない。
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