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帰還-5

「他に何かないのなら、出て行ってくれないか?」 ランフィスは有無をいわさずビィへ執務室から出て行くように促した。 ランフィスは、継ぐ者ではなく、今や皇となっている。皇の言葉は絶対だ。これ以上無いと言われればビィには何もできない。 ビィは、落ち人になる以外で向こう側へ行く(すべ)が何らかの方法が存在するということは、ある程度は知ってはいた。だけど、それがどのようなものなのか、どうやって知り得るのかまでは、分かってはいなかった。 (……まさか、皇だけに伝わるものだったとは……) 皇のみ知り得るもの、それは、おそらく皇の記憶での受け継ぎでしか分からない、皇のみ出来る方法でしかなく、それならば、一般の普通の者には、向こう側へ行く方法は落ち人になるしかないのと言っているのと同じではないか?ビィはそう思った。 すると、ビィの元へ一人の魔導士がやってきた。彼はビィの部下でもある魔導士であった。 「お話の所失礼いたします。ビィ様へ至急ご報告の儀がございます」 皇との謁見の時に割って入るというのはよほどのことであろうが、それが何の報告であるかビィには分かっているようだった。 「……闇の国の間者から連絡があったのか?」 ビィがその者へ聞くと 「はい」 と返事をした。そして、ビィはランフィスへ向き直って言った。 .

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