335 / 379
風-2
……
………
…………
時の変化……運命が変わる流れの夢。それは……
ジマにとっては突然に現れる。
いきなり目の前が真っ暗になり、気が付けば少し高い所で自分がじっと空を見上げている。
その空には綺麗な丸い月があり、ふと、下を見ると綺麗な透明な水の泉の中へ入る誰かが見えた。
(あれは、誰だったろうか……?)
ジマはその者を見たことがある気がした。そして、場面変わり、そこは向こう側の元の世界で昔の自分が仕事をしていた場所であった。
その泉にいた彼がジマの目の前にいた。
(そうだ、彼は向こう側の元の世界で会った者だった)
彼は、
"自分はこちら側の世界の住人ではなく、自分の大切な人がこちら側へ来たから探しに来た。その人は何処にいるか分からない。本来なら分かるはずなのに。その術 が消えた。だからもう死んでいるのかもしれない。
だけど、生きているなら、その自分の大切な人を探し出してほしい"
と、そんな事を言っていた。
彼はジマの能力の噂を聞いて、訪れて来た。
元の世界では、ジマの所へその能力で助力が欲しい者が数々訪れていた。彼は、その中の一人にすぎなかった。
.
ともだちにシェアしよう!