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第Ⅳ章/ 夢見-1

…… ……… 夢見は時の変化を見る 流れが変わる それを示す ……… …… ジマの視た夢見はそうであった。 その夢見でジマは別に思い出すことがあった。それは、夢で現れた人の事だった。 夢見の後、陽の国の皇族を調べて、確信を持った。 あの人は、何代か前の陽の国の皇であったと。 そう、それに気が付いたのは、その夢見の後だった。視るまでその事をすっかり忘れていた。 ……そして、思い出した。 向こう側のジマが元の世界にいた時に会ったその人は、記憶では、へんな事を言いだす人と思って早々にお帰り願った……と思っていたのだったが。 その時にはじめて、こちら側の世界の話を聞いた。その時にはとても信じられない話だった。 だけど、その時にとある書物を試しに読んでもらったのだった。その事をすっかり忘れていた。 しかも、それは、(しるし)に関する書物であった。 (何故それを忘れていたのか?もしや、彼が何等かの術を私に掛けたのだろうか?しかし彼は陽の国の皇族であったはず。魔道が使えたという記録はなかった……) 元の世界での事、ジマは今とは違う名であった。 書物はその時に、知り合いに託された書物であった。 古い書物でおそらく数千年ぐらい前のものだろうと思われた。何かを書き記してある書物だったが、だけど、文字は全く理解できず、読めない。だけど、ただの羅列の文様ではなく何等かの意味のある文章であることは確実で、あきらかに日本語ではない文字で書かれていた。 これはいわゆる都市伝説的に言われている"T文書(もんじょ)"で書かれている某文字とも少し似ていた。 それは、知り合いが管理していた古民家の蔵にあった書物で、触れると、体調に異変がおこるといわれた。人によっては命に係わるようなことにもなるとも言われていたものであった。 大昔、この地に滞在していたある高名な陰陽師が置いて行ったというものらしく、おそらく呪いが掛けられているのではないか、所謂、呪物ではないかと思われていた。 知り合いの家は代々恐れて、大事に蔵に仕舞っていたが、蔵を取り壊すので、これをどうにかしたいとジマへ相談されたものだった。 .

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