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帰郷-2
「なんで、ここに?」
「集中して、それで、ランフィスを呼んだんだ」
だけど本当にランフィスを呼べたなんて・・・。
「よかった!!……本当にランフィスだ!!」
そう言って優斗は再びランフィスに抱き着く。
「……ただいま……ユウト……」
ランフィスもようやく戻って来たということに実感がわいてくる
「おかえり……ランフィス」
優斗の声は詰まって半分涙声になる。
でもしっかりと、ランフィスをよく見る。
ランフィスは傷だらけだった。
「ランフィス。怪我……」
「ああ、大丈夫。ギオと争った時に少し怪我しただけだから。ああ、すまない。ユウトのベッドを汚してしまうね・・・」
ランフィスはそう言ってベッドから降りようとした。
「いいよ。だって、俺がここで、ランフィスを呼んだんだから・・・・」
ギオの名を聞いて優斗は、ギオがどうなったか気になった。彼はどうなったのだろう?彼もこちらに戻ったのだろうか?
「ギオは…?ギオはどうなったの?」
「……分からない。さらに奥の狭間へと落ちて行ってしまった……。私は、落ちる前に、ユウトの声が聞こえて…こちらへ戻る道があった。でも、ギオはそれきり分からない……」
「そう…なんだ……」
(ギオはあの暗い真っ暗な狭間へと落ちて行ってしまったのか。穴のようなあの……)
なにか優斗はぐっときてしまい黙り込んでしまった。
すると、突然ドアが開いて、ヤナギが飛び込んできた。
「ユウト!!どうした?大丈夫?」
どうやら、ヤナギは優斗の部屋から、人の声が聞こたから何事かと思って飛び込んできたようだった。
だけど、ベッドの上に優斗とランフィスがいるのを見て。
……とたんに。
ヤナギの動きが止まる。
「あ……」
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