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帰郷-4
……
………
そして、優斗がランフィスを連れて帰ったという知らせがジマに入った。と、同時に、
「ギオが狭間の奥へ落ちて行った」
向こう側でギオが狭間に落ちて行ったことをジマは知る事となる。
優斗が別にジマへ知らせを送ったのだったのだが、ランフィスはそれをジマには知らせなくても良いと
言った。
「何故?わざわざ知らせる必要がある?あいつはユウトに酷い事をしたではないか?」
「だけど……」
優斗は言われたが、あの真っ暗い奈落の底のような時空の狭間を思い出すと、たとえ、敵……自分を危険な目にあわせようとした者でも、知らせずにはいられなかった。
「そういう所が甘いって思うよ?」
ヤナギにまで言われた。
「でも、たとえ知らせても、ジマにはどうすることもできないと思う。ギオはもう時空の何処に落ちるか分からないから・・・」
ランフィスはそう言った。
……
……
ジマはギオを向こう側へ探しに行くことを決意する。
それは啓示で行く方法を知ったからだ。
……一度しか言わない。
……陽の国の泉へ行く。
……満月を泉に移した時、そこで扉が開く。帰りは。その泉が媒体となる。
啓示はそう告げた。
あえて、あの泉へ、陽の国へ。結界は自然の力。
嵐の力を利用すれば一瞬崩れ入ることができる。
その啓示はジマが視るいつもの夢見とはまた違っていた。
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