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一時の安らぎ-3
……
………
その夜。
ランフィスは遅くにはならないはずと、昼間言っていたが、色々と執務をこなしていたのだろう、やはり夜遅くになってしまったようだった。
「……ランフィス?」
「ああ、起こしてしまったね。良く寝てるから、起こしたらかわいそうだからそっとしておこうって思っていたんだけど。だけど、ユウトの顔を見たかったから」
夜も遅いので、ランフィスは優斗を起こさないように、静かに寝ようとしていた。だけど、優斗の寝顔だけでも見たくて、そっと優斗を見ていたら……それで、起こしてしまった。
「……俺もね、さっきまで、ランフィスを待っていて起きていたから大丈夫だよ?」
「ユウトは色々あったろうから身体も疲れているだろうに、待っていなくてもよかったんだよ?」
「うん、でも、それは、ランフィスだって同じでしょ?それに、こうやって、ランフィスとゆっくりしたほうが落ち着くんだ。」
「今日はこのまま一緒に寝られるんだよね?」
優斗はそばにきたランフィスにぎゅっと抱き着いて言った。
「こうやってランフィスの温かさを感じると、本当に安心するんだ。やっとね。やっと、こうやってここに戻ってこれたって………」
………2人、安心してゆっくりと出来る夜だから
"ほっとするんだ"
「……そうだね……」
ランフィスが優しく微笑んだ。
……
だけど、そんな時・・・
突然の大きな音と揺れが起こった。
………
………
「……何?」
不安げな様子で聞く。
まるで何処か何かが落とされたような、どすんという大きな音がした。
「これは…上から何か落ちて来た?…」
ランフィスは急いで窓を開ける。優斗もそっとその後ろで外の様子を見る。
そこには、薄く光っている空があった。まるで薄い靄の煙のように広がって、細かい流れ星が沢山流れていた。
「流れ星?隕石?」
空に流れている光の粒、舞っているみたいだった。それはとても綺麗だった。
「こういった異変が起きると落ち人が現れるとも言われているんだ・・・」
「……落ち人・・……」
優斗は思わず言った。
「この隕石が人のいるところへおちてなければいいのだが・・」
ランフィスはじっと空を睨むように見つめる。
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