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闇の国との終結-3
「ジマもいないってことは、今、闇の国は……」
「……ああ、ギオの兄が後継者として成ってはいるが、皇の証が無い上に、闇の国では彼はさらに信頼に欠けていて人望も無いようだ。今回の隕石による被害の大きさがこちらの国よりも甚大で、多くの人々がそれによって被災している。実質的に闇の国は機能不全になっている」
「それで、陽の国が助けるってこと?」
「そうだ。そして、闇の国の統治することを条件にした」
「すごい。そんなすぐに決まったの?2,3日で決まるもの?」
たしかに、ランフィスに会えないここ数日は寂しかったし心配したけれどもそういった、政治的な事柄を決めるにのにはもっと日数がかかるはずだと優斗は思っていた。
「現実はね。だけど、ビィが話し合いの場の時の流れを変えてくれたから。体感はものすごい掛かっている」
「……支援を求めている闇の国的には、とても焦ったのではないの…?」
「ああ、だけど、こちら側からはきちんと説明はしたよ。ビィによって、ゆっくり話し合いを出来るようにした。って」
「……ええ、でも・・・」
「……ああ、いくら分かっていても、気分的には焦るものだろう。だから、こうなった。争いも戦も無く闇の国を統治できる事になった」
そう言ってにっこり微笑むランフィス。
「それは、そうだけど……ランフィスってそういう国の力とか国同士の覇権争いとかには興味がないと思っていた」
……そういう事には疎いと思っていた。
「少し驚いた……」
ランフィスは優斗をじっと見つめながら、
「闇の国の事とのことを穏便に解決して私がすべて収めることが出来れば。それは優斗をより平穏に安全に出来ると思ったんだ」
そう言った。
「俺の為……なの?」
「そうだよ…?優斗の為にも、この大陸を治めようと思ったんだよ・・」
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