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闇の国との終結-4

「……この大陸を治める皇……皇帝?」 ランフィスがゆっくりと頷く。 「……もし、闇の国に、皇の証を持つ子が現れたなら、再び、闇の国と陽の国の二国間での大陸を治めるという盟約となっている」 (……だけど、闇の国の皇の証を持つ皇子は現れる事はもうないかもしれない) ギオとギオの兄のゲンオは腹違いの兄弟であった。そのゲンオは皇の子ではなく皇の証でもある文様が出ないのはその所為であると、いう噂がある。ただの噂でもあるが、ギオの兄が闇の国での人望がないのは、そういう事情もあってのことだった。 さらに、闇の国の皇子はギオとゲンオ以外にはいない。 (……闇の国の皇の証を持つものは皇家の直径ではないと現れないとも聞く。だから今後皇の証を持つ者はギオが向こう側の世界から戻ってこなければ、いないと言える) ランフィスはそう考えてはいたが、今回の闇の国の代表もそう思っている。しかし必ずしも証を持つ者が表れないという確定は出来ない。しかしながら、今の闇の国の力では、到底この混乱を乗り切ることは不可能だと考えての盟約でもあった。 「近々、大陸中に私が皇帝になることを表明する事になるだろう。そうなるとまた忙しくなる」 ランフィスは話し終えてからほっとしたように息をついた。 ……だけどね、こうやって優斗と一緒にいることはその忙しさの中に入らないから。 .

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