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闇の国との終結-5
「……いつでもここにいるよ。だって俺はもうこちらの世界にいるし」
「そうだね。さっきも言ったけど。また言うよ。ユウトといるととても心地よいんだ。だからずっとずっと忙しく会えないのは本当にユウトが足りない」
そうして優しく優斗へキスをする。
(……ランフィス・・)
それは、長い長いキスで、優斗は息が止まると思うほど。やっと唇から離れてキスを終えるとランフィスはそっと囁く。
"……ずっとこうしていたい"
返事をする優斗。
"俺もだよ……"
そうして互いに互いを抱きしめ合う。
優斗はギュッと目をつぶって、ランフィスの暖かさを感じる。
──ランフィスは忙しくて、こちらの世界に戻って来てからもこうやってあまりできなかった。からだから
ランフィスは再び唇へ柔らかく口付けをする。
もっとこうしていたい。もっとこうしてランフィスを感じていたい。と、そう思うままに、優斗も唇から離れたランフィスの唇へそっと口付けを返す。
ランフィスはそっとその唇を優斗の唇から沿うようにして右の耳朶へもチュっと音を立てて口付ける。
ランフィスと優斗の逢瀬はそれだけで気の力を有するもの。
だからとても大切なこと。
(──だけどそんな事はもうどうでもいいんだ)
ランフィスが優しく囁く。
"ユウトが欲しいよ?"
優斗はじっとランフィスを見つめる。
「……だけどまだ朝だよ?」
「……関係ないよ」
そう言うランフィスに優斗は少し笑って答えた。
「……うん。そうだね」
──このまま溶けよう。
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