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声-3
優斗はそのブレスレットをじっとみながらランフィスに夢の事を話そうと思った。
「あのね、ランフィス?」
「……何?ユウト?」
「気を失っている時に、なにか夢を見たんだ。不思議な夢」
「不思議な?一体どんな夢なんだい?」
「神様の声を聞いた・・・・」
「…神?…」
ランフィスは驚いた表情で優斗に聞き返す。
「ランフィスと俺は特別だって言ってた……」
「それは……」
そこで、優斗は自分が聞いた声の話をランフィスに話すことにした。聞いている間、ランフィスはさらに吃驚したような様子だった。
「だけどあれは本当に神様だったのかもわからない、自分で神っていってたけど。
だって、一人じゃなくって何人かの声がしたんだ」
ランフィスは暫く黙って何かを考え込んでいた。
「この世の神は、主神の他に数人の神がいるんだよ」
「では、やっぱりあれは神ってこと?」
優斗はこの世界では神との距離がすごい近いということを思い出した。
(いつも神の意思的なことを言っているよね……)
「……ユウトが気の大量放出の後に見た夢となると……おそらく……本当だ。その神の声は・・・天啓」
「ええ?てんけい?天啓って・・・偉い人とかすごい人とかしかきけないんじゃ」
「……いや、ユウトは実際、気の放出を行える。この国。この大陸にとっての救世主みたいなものだから」
「えええ・・・いやいやいや・・・違うでしょ?」
(そういうのってキリスト様とかじゃないの?・っていうかこちらの世界ではキリスト様はいないし・・そもそも宗教違うし・・・)
と、混乱しながら必死にそんなことはないはずと否定したい気持ちの優斗だった。
そして、ふと、
(最後に自分を神といったあのひとの声は主神だったのだろうか?)
そう思いながら困惑していた。
…………
……
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