373 / 379
神々しいもの-2
……
……
それから、ユウトは自分がどうしたのかよくわかっていなかった。
ランフィスの隣にいて、それから……。
それから、やっと部屋に戻ったということはわかった。だけど、ずっとずっとぼんやりとしていた。
「ユウト?」
何度もランフィスによばれてやっと我に返った。
心配そうなランフィスの姿が目に入った。
「おはよう?」
優斗はなんとなく言ってみた。
朝じゃないから変だけれども。優斗にとってはまるで夢を見ていて、やっと目覚めたような感じだったからだ。
「おはよう、ユウト。よかった。やっとユウトが元にもどった」
ランフィスがほっとしたような顔をしていた。どうやら、優斗を何度も呼んでいたようだ。
優斗は未だ、ぼおっとした顔でランフィスを見返す。
「俺ってどうなってたの?」
(何が起こったのか分からなかったというか、自分って一体何をしていたんだろう?)
優斗が不安げにキョロキョロと辺りを見回すとここはいつも自分がいる部屋で、ぼんやりと、柔らかいソファーに座っていた。気が付けば、服もいつもの服に着替えさせられていた。
そういえば、侍女の人たちに着替えさえられたような気がしたと思い出した。
「式典はとっくに終わっていたんだ?」
そう聞くとランフィスはゆっくりと頷いた。
「そうだよ、なんだかユウトの様子が違っていたから心配して早目に部屋に行ってもらったんだけど・・・だけど、今になっても、戻ってなかったから心配したんだよ」
外はすでに夕暮れの黄昏時で薄暗くなっていた。
(おはよう、っていう時間じゃなかった・・)
「なんか頭の中に靄がかかったみたいにぼんやりしてたし、なんだふわふわしてた?」
未だになんだかぼんやりしている気がすると優斗は感じていた。
「……おそらく気を出す方法が今までとは全く違ったから、身体が受け付けなくて混沌状態になっていたのかもしれない?」
困惑しながらもランフィスはそう答えた。
そうこうしているうちに、優斗はもやもやとした頭の中がすこしづつだけれども、徐々はっきりとしてきた。
すると、何やら自分が気を出したらしいことを思い出した。
それで……
……
…
.
ともだちにシェアしよう!