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神々しいもの-5
「白い服だからそう見えるだけだよ?」
「いや私も、白い服だから、それは違うよ?天使じゃなければ、妖精だよ」
いや、、もう言わないで欲しい。・・これから起こる事もみたくない。優斗はもう見ないようにしたいしここで止めて欲しいとか思う。
しかし、動画は止まることなく、ずっと流れ続いている。画面には自分とランフィスの顔が重なっている場面に差し掛かった。
(うわ・・・そういえばあの時、自分も結構ノリノリでキスをしてた。思い出してしまった……自分のキスシーンをみるとか。何の罰ゲーム……)
だけど、それは、何処かの映画のワンシーンみたくて非現実めいていた。
──それを見とれていた民衆も同じようだった。
皆、何か神々しいものを見るような感じで見とれていた。
でも次の瞬間の真っ白に画面がホワイトアウトした。
「これは?」
「気の放出がはじまったんだ」
「こんなだったの?」
実際自らが生みだしている気の塊がどういったものか分からない。優斗はこうやって自らを見たこともないからだった。
そういう意味では、気の放出を見たことが無いこの民衆と同じだった。
そのホワイトアウトしたように生み出された気の塊を、ランフィスが受け取り、天にむかって放出した。
──両掌を天に仰ぎ。
天から注ぐその気の放出は、以前、優斗が祈りの櫓からランフィスの気の放出を見たその気の放出とは全く違っていた。
ふわふわと、台地に降り注いで。まるで花びらみたいだった。
それはとても夢のように綺麗だった。
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