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第17話

―――――― 「んあっ、あ、でる、でちゃうっ、あああっ!!」  はぁ、はぁと息を吐き出し、ぐったりと先輩の腹の上に力尽きた。  全身がビクビクと痙攣していて、もう少しも動けそうになかった。 「お前ヤバいわ…もうほぼ水しか出てねぇのに、どんだけイけば気が済むんだよ……」  俺の下敷きになっている先輩が、なんだか疲れ果てた顔で言った。  他の先輩たちも、同じく疲れた顔でベンチに座っている。  そこでやっと正気に戻ってきた俺は、なんだか急に恥ずかしくなってきた。  連れ込まれてからどれほど時間がたったのか定かではないが、無理矢理されていた行為も、後半は自分で先輩の上に乗っかって、ただひたすら腰を振っていたような気がする。 「おい、もう出ねぇよ…だからどけよ」 「あ、すみません」  下敷きにしていた先輩が、呆れたような声で言って俺を押しのけた。疲労感と快感に震える体は、ごろんと床に転がって起き上がるのに苦労した。 「お前さぁ、セックス依存とかそういうのなん?」 「えっ?違いますよ!」  ベンチに座っていた先輩が突然そんなことを言うので、俺は心底驚いて否定した。多分だけどセックス三回目の俺に、依存症を疑うなんて酷い。 「じゃあただの変態か」 「淫乱」 「無限に搾り取られるかと思った」  な、なんて奴らだ!  無理矢理襲ったのはそっちなのに、なんて酷いいいようなんだ!? 「せ、先輩たちだって強姦魔じゃないですか!!」 「お前に言われても罪悪感湧かねぇわ……」 「むしろ申し訳ねぇよ…本当におれらで満足した?」 「つかお前のその、エロいのって誰かに調教されたとかそういう感じ?」  ちょうきょう?  そんなにヤバかったのか?  正直、気持ちよすぎて記憶が曖昧だった。淫魔の血に支配されている俺は、先輩たちがゲッソリするほどだったのか。 「お、俺だって好きでこんなことしてるわけじゃない!!仕方ないんだもん!!」  淫魔としての俺は、イヤイヤでも精液を飲まないと生きてけないのに!!  うう、泣きそう。  ギュッと唇を噛み締める。 「そっか、そうだよな…つらいよな。次はもっと体力のある奴呼ぶから」 「運動部だからさ、体力に自信がある奴結構いるし」 「人数多い方がいい?おれらそういうの抵抗ないし」  あれ?  話の流れがよくわからないんだけど…… 「んじゃあ、また呼ぶわ」 「動画撮っちゃったけど、心配すんな。誰にも見せねぇよ」  と、先輩たちはなんでか同情したような顔で身だしなみを整え、立ち上がる。 「中に出したやつ、はやくキレイにした方がいいぜ」  それを最後に、先輩たちは部室を出て行った。ドロドロの俺を置いて。 「いや、動画は消せよ!!」  そんでもって置いてくなよ!! 「もうヤダァ、死にたいぃ……」  散々吐き出した自分の精液で汚れていたけれど、仕方ないのでそのまま服を着て、ガクガク震える体を叱咤する。  帰ろ……  帰って、風呂入って……先輩たちの誤解を解くのは、また今度でいいや。  とりあえず今は疲れた。今すぐにでも寝たい。  ともすれば断片的に思い出してしまう自分の痴態を振り払いながら、ヨタヨタと部室を出る。  外は、もうすっかり日が暮れていた。

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