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第5話

 王子は目を醒ました。  でも、まだ身体中が熱かった。  自分から股間に手を伸ばす。  夢中で擦った。    ここを、擦られたならきもちいい。  それを知ってしまった。    欲しい欲しい欲しい。  後ろの穴にも自分から指を挿れた。  でも自分じゃわからない。  あの、きもちいい場所。  前を擦っても、中に指を挿れても。  足りない。  足りない。  あれじゃない。  もどかしさに涙がでた。    不意に抱きしめられた。   その体温に安心した。  「・・・・・・可哀想にな。オレが言うのも何だが」  低い声がした。  欲しくて夢中で抱きついた。  身体をこすりつけた。  くれる。  きっとくれる。  あの大きな気持ちいい・・・硬いモノを。    「・・・・・・薬が抜けるまで、シてやるよ。抜けて正気になったなら・・・もっとつらくなるかもな」  その声には苦さがあった。  でも王子は自分から腰をあげて穴を広げた。    ここに、挿れて欲しくて。  「イカせて、・・・メスみたいに」  覚えたての言葉を繰り返す。  ぼんやりと。  ため息がした。    でも、脚を押し広げられ、あてがわれた。  それは、最大限に硬く、大きかった。  欲しがられていることは、王子にもわかった。  自分から腰を揺すって、硬いソレを受け入れようとした。  少しめり込み、それに喘いだ。  ここ、広げられるとたまらなく気持ちいい、それをもう知っていた。  「ほら、喰え」  男はゆっくりとめり込ませていった。  まだ男の精液が入ったままの穴は喜んで男を迎え入れていく。   「ああっ・・・いいっ」  舌足らずに王子は喘いだ。  腰を淫らにくねらせながら。  これが好き。    気持ちいいところにぜんぶ当たるこれが好き。  「好きぃ・・・これ、好きぃ」  子供のように叫ぶ。  その顔を優しく撫でられた。  「可哀想なのが、たまんねえってヤバいだろ」  男は低い声でいい、でも、激しく突き上げ始めた。  「いいっ、いいっ、好きぃ!!」  王子はワケがわからないまま、叫んだ。    ここがどこなのかもわからなかった。  そこはもう冷たい玉座の上ではなく、宮殿の一室だった。  だが、閉じ込められるように育てられていた王子の豪華で冷たい部屋ではなく、もっと実用的で簡素な部屋のベッドの上だった。 だがそんなこともわからない。 どうでもいい。     ただただ、男を欲しがっていた。    「これが好きか?」  入り口近くのおかしくなるところを擦られた。  もう勃起さえしてないのに、性器から白い液を零れさせながら、王子はガクガクと首をふる。      「好きぃ・・・」  咥えさせられた指をしゃぶったのは本能なのか。    「これは?」  大きくスライドされた。  そして、大きくまわされ、乱暴に突かれた。  まわされて、尻を振った。  突かれる度に背中をそらした。  「好きぃ・・・好きぃ!!」  突かれる度に叫んだ。  貫き殺されたくて。    かきまわされる度に喘いだ。  グチャグチャにして欲しくて。  「・・・・・・ヤバい。ホントお前ヤバい」    男は苦しそうに言った。  でも王子の腰を持ち上げ、深く深く奥をさした。  こじ開けるように。  「ヒイッ」  王子は呼気だけを零し、目を裏返した。    ガクガクと身体だけが揺れる。  涎が止まらない。  ゆっくりとそこで男は出し入れを楽しんだ。   目を細め、痙攣し続ける王子を見つめる。  痙攣しているのは、中もなのだ。  「お前、スゴいな、ほら、奥で出してやる」  男は強く腰をぶつけて、身体を震わせた。  「アガッ・・・くう」  王子はひきつける。  手を虚空に伸ばして。  助けを求めるように。    男はその手を掴んだ。    掴まずにはいられなかったのだ。  たっぷりとその中にはなってから、男はまだその中に入ったまま、王子を抱きしめた。  それはあの玉座ではしてやれなかったこと。  慰めるように。  許しを乞うように。    抱きしめる。  王子を褒美に貰い受けた。  本来なら、領地だろうが、軍の司令官の座だろうが手に入ったというのに、この王子のせいで何もかもがなくなった。  だが、高貴な性奴を欲しがる連中にくれてやる気にはなぜかなれなかった。  たかだか、穴一つのために、このオレが。  成り上がれる最大のチャンスを捨てて。  哀れな、子供のために。  まだ18の。  だが。    「まだ欲しいだろ?」    男は自分のモノになった王子に聞く。    欲しいのは自分のくせに、と男は自分を笑う。  「欲し・・・い」  王子がトロンとした目のまま言う。  赤い舌が口にもどせなくなって、だらしなくていやらしくて可愛い。     「くれてやる」  男は王子の舌を吸いたかったが、今はやめた。    キスしたかったが今はしない。  身体の奥の奥まで好きにしといてなんだが、この恋も何もしらなかっただろう身体から何もかもを奪うのは・・・気がひけた。   今更だか。  「何回ヤレるかの新記録を達成できそうだな」  男は笑った。    そして、王子にのしかかり、また激しく貪り始めた。  「アアッ、フゥ、もっとぉ!!」  王子が甘く叫び始める。  「薬がぬけて・・・嫌がったらそれはそれで、いいかもな」  男は一人ごちた。  「可哀想だが・・・もう手放してやれねぇわ」  男は自分が気に入った場所を突き上げた。    王子は背中を反らして、もう薄い液を前から零す。  真っ青な瞳は、さらに青く、もう何も映してない。  「お前はオレのもんだ。これから毎日抱いてやる」  男は王子に囁いた。  夜までにはここを出ければ。  傭兵の性奴隷になって犯され続ける王子というのは、あの姫にとって都合がいいから消されることはいと思うが。  あの姫は売春宿に王子を売ることまで考えていたのだ。  王子を抱くために人は列をなし、王子は死ぬまで犯されただろう。  油断は禁物だ。  姫の気が変わらないとは限らない。  王子を連れて消えるのだ。  これはオレのだ。  オレだけの。  男はまたたっぷりとその中に放った。    でも、まだ。  おわらない。  終われそうにない。  「可愛いぜ」  男は聞こえてない王子に言った。  可哀想で可愛い。  いやらしくてたまらない。  これは。  予想外で。  とても危険だ。  そうは思っても、もうどうしようもなかった。  また王子を男は貪りはじめた。  終わり        

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