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オマケ
王子は目を覚ました。
身体中が痛い。
おかしなところ。
特に乳首や・・・性器や・・・何故か後ろの穴までいたく、そして腹まで痛む。
起き上がろうとした。
動けない。
かろうじて腕が動くだけだ。
揺れていた。
奇妙な揺れだ。
こんな感覚は知らない。
そして、頬は外気に当たるのに、あたたかい毛布に包まれ、そして、さらに何かに包まれていた。
何?
これは。
硬くて柔らかくて、安心する。
幼い子供の頃にしかしらなかったような感触。
王子は4才から人に必要以上と触れ合うことを禁じ得られていたから、それが抱きしめられているということがわからなかった。
「動くな、落ちるぞ」
低い声に王子は、ハッと目を開けた。
そして、悲鳴を上げた。
自分を抱きかかえているのが、
・・・昨日?いやあれはどれくらい前なのだ?どれくらいたったのだ?、王子にはわからない、
あの男だとわかって。
全部覚えていた。
玉座の上で臣下の前で犯されたことも。
その後、何度も何度も貫かれ、出されたことも。
巨大な性器で、誰にも触れてはならない身体をこじ開け、淫らな液をこの身体に注ぎ込まれのだ
その感触は全て。
まだ。
リアルにこの身体にあった。
悲鳴をあげても、声はかすれ、逃げようと身をよじっても、力がはいらない。
でも、もがいた。
力無く。
「やめとけ。落ちて首の骨を折りたくないならな」
男は冷静に言った。
そして、王子は気付く。
ここが馬の上だと。
「ホントはゆっくり寝かしてやりたいし、それ以上にお前の身体にもっと色々教え込みてぇ。だけどな、逃げないとな。王都から出来るだけ離れないと。なんとかして脱国しないとな・・・お前の姉貴の気が変わらないうちに」
男は言った。
王子はもがくのをやめた。
死ぬわけにはいかない。
死にたくない。
状況を把握するために、男を見上げる。
この男しかいない。
いないのだ。
自分の状況を説明してくれるモノは。
それは分かっていた。
例え、あのような、あのような、淫らな真似を・・・、組み伏せ、押し込み叫ばされたとしても、許せなくても、この男しかいないのだ。
「いい子だ。思ったよりもかしこいな。身体も覚えは良かったが」
男は低く笑った。
その笑い声は何度も耳もとできいたことを思いだしてしまった。
『覚えがいいな、ヤらしいぜ』
男は何度もそう囁いたのだ。
王子がイくたびに。
王子は屈辱と羞恥に真っ赤になる。
男が求める言葉を何でも口にしたことも思いだしたのだ。
そして、自分から・・・。
頭を振る。
今はそれどころじゃない。
「お前の姉貴は元々、お前を売春宿に売り飛ばすつもりだったんだよ。民が王座につくはずだった王子で楽しめるように、とな。ちなみにお前の母親は昨日、広場に引きずり出されて民から投げる石に潰されて死んだ。母親の一造もな。お前が売春宿に売られたら、お前はヤり殺されるだろうな、その日の内に。前王や王妃一派に娘や妻や母親を奪われ犯された民は多い」
淡々と男は言った。
王子は男の腕の中で身体を強ばらせた。
恐ろしい話だった。
しかし、抱きしめられた思い出もなく、たまに様子を見るだけの母親やその親族達の死には不思議な位何とも思わなかった。
王子には彼らも壁でしかなかった。
閉じ込められて、死を待つだけの日々。
たくさんある壁の一つ。
「売春宿でヤり殺されたいか?」
男は聞いた。
王子は首を振る。
嫌だ。
嫌だ。
「僕は。死にたくない」
王子は口に出した。
「生きたい」
その言葉は生まれて初めて出したもの。
閉じ込めていた部屋ではゆっくりと死へと向かっていた。
綺麗な牢獄。
でも死は見えなかった。
何もみえなかった。
冷たく痺れていた。
でも引きずりだされ、殺意を向けられ、犯された。
その時に自分の中から出てきたものは、「生きたい」という思いだった。
嫌だ。
嫌だ。
このまま、このまま、死にたくない!!
それは。
生まれ出はじめての。
望みだった。
「そうか」
男は小さく笑った。
それは、皮肉やあざ笑うようなものではなく、優しくさえあったから、王子は驚いた。
からかい、バカにし、男は王子を犯し続けていたからだ。
「選ばせてやる。オレの奴隷になるか?オレが望む時、脚を開いてその穴でオレを楽しませるんだ。なら、お前を守ってやる。オレは強いぞ。お前の宮殿を落とした男だ」
男の言葉に王子は眉を寄せた。
不思議そうに。
「なんだ?」
男は怪訝そうな顔をする。
「宮殿を落としたのがお前なら、お前は将軍にでも、領主にもなれただろう。なのに何故、僕を連れて逃げている?」
王子は納得できない、と言った顔をしていた。
この王子はバカじゃない。
綺麗なだけの人形じゃない。
男は感心した。
だから白状した。
「お前の身体がよすぎてな。お前を手に入れるために全部バーだ。オマケに逃げなきゃならない」
男は苦笑した。
王子はそれでも難しい顔をする。
「何だ、何がわからない?」
男は面倒くさそうに言う。
「そこまでして僕を得たのに、何故わざわざ僕に選ばせるんだ?」
王子の言葉はもっともだった。
コレはオレのだ。
オレが命がけで働いた仕事の成果だ。
嫌がろうが何だろうが、好きにしていいものだ。
そのつもりだったはずだ。
「・・・なんでだろうな。まあ、納得させてからのが、抱く時楽しめるからだろ、お前が死にたくないなら、他に選択肢はないしな」
男は考えて言った。
納得しようがしまいが、抱きたければ抱くだけなのに、そのために手に入れたのに。
奇妙な話だ。
自分でもわからない。
「そうだな、僕は生きたい。例え奴隷となっても。まだ僕は生きたことがない。だから・・・選ぼう。お前を」
王子は男の腕の中で言った。
その時何故か強く抱きしめてしまった。
わからないまま。
何故か胸が痛んだ。
唇を塞いで、舌を貪りたかった。
でも。
止めた。
バカバカしいが、王子の身体のどこかに犯されない場所をつくってやりたかった。
それ以外の場所はすべて・・・もう汚したから。
腹の奥の奥まで。
抱きしめられて、王子は震えたが、抵抗はしなかった。
この強張る身体を快楽で解かせることを考えて、楽しくなった。
汚したくないと思った端から、汚したいと思う。
ドロドロに、泣かせたい。
だが今は。
安全に抱けるところに行かなければ。
「寝てろ、早く回復して抱かせろ」
男はキスする代わりに首筋を軽く噛んだ。
喘ぐ王子に目を細める。
美しい奴隷。
オレだけの。
でも、奴隷のために逃げている。
命がけになるかもしれない。
たかが奴隷のために。
これじゃどちらが奴隷かわかりゃしない。
男は皮肉におもった
おわり
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