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偽りの窓の外 5
朝、起きると両親はもう仕事に行っているのかいつものように書き置きと金だけが置いてあった。
また1週間が始まったと感じる。
「陽斗 おはよう!」
「おはよう」
なんとなく感じる月曜の朝の憂鬱から解き放たれるのは、いつも和臣が声をかけてくれたときだ。
この男、千葉 和臣 に俺はもう4年片想いをしている…───。
「なぁ、陽斗。今日さ数学教えて欲しいんだけど。時間ある?」
「いいよ」
「やった。陽斗の教えかたってわかりやすいんだよなー」
無邪気な親友の笑顔にまた癒される。約束が出来た。
頼られていることが何より嬉しかった。
すっかり週明けの憂鬱から浮上したというのに、朝のHRが終わると担任が俺のことを呼んだ。
「昼休みに職員室に来なさい」
それを聞いて和臣がからかうように肩を叩く。
「何したんだ?悪いことでもしたのか?」
「してねーよ」
多分進路のことだなと思いながら昼休みに担任のところに行った。
案の定。話は俺の進路についての、もう何度目かになる個人面談で、先生たちも結構しつこい。
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