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偽りの窓の外 8

すると和臣がペンを止めて顔を上げた。 「で、志望校は決まったのか?」 「うん。K医療専門学校にすることにした」 「そうなのか。じゃあ、俺の志望校と近いじゃん! 合格したらまた遊べるな!!」 「そうだな。でも、医学生に遊ぶ暇なんてあるのか?」 「医学生だって遊ぶ時は遊ぶだろ! K専だったら陽斗は家から通えるんだよな? 俺は受かったら大学近くに一人暮らし予定だから遊びに来てくれよな」 屈託のない笑顔でそういう和臣を見て心底嬉しかった。 でも、俺がこの専門学校に決めた理由を聞いてもこの笑顔でいてくれるだろうか……と、ふと思った。 和臣は医師を目指している。 実家は地元ではまずます有名な総合病院で、現在は和臣の父が院長をしている。 兄弟は5歳年上の兄が1人いて、その兄も医学生で、実家の病院は兄が継ぐことになっているらしい。 そんな和臣の夢は、地域に密着した病院を作ることだった。 規模は小さくても充実した病院を作るのが夢だと言っていた。

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