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偽りの窓の外 9
中学の時にその話を聞いた俺はまだぼんやりとしか進路を考えていなかった。
でも、手に職をつけるもいいと思って俺も医療関係に進もうかなぁなんて、その時は適当に口にしたのだが。
その時の、和臣の輝いた瞳が、今でも忘れられない。
『じゃあ、一緒に病院作ろうぜ!』
きっと今じゃ和臣だってそんなことを言ったことすら覚えていないと思うが、それが俺の将来を決めるきっかけになったんだ。
そして、俺は和臣が描く将来設計に、自分はどうすればサポートが出来るのか考えどの職種を目指すか考えた。
ありとあらゆる医療系資格を片っ端から調べ模索した。
全ては和臣のそばにいるだけの為に。
こんな理由、本気でその資格を目指している人に失礼だということもわかっている。
でも、俺にとって原動力となるのは和臣だけだった。
でも、そうやって調べていくうちに自分でも興味がわいてきた職業があった。
これなら勉強もその先の仕事も頑張れるような気がしたものが見つかったのだ。
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