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偽りの窓の外 10

───… 「ところで、結局学科は決めたのか? 放射線技師か検査技師で悩んでただろ?」 「あー、うん。臨床検査学科にしたよ」 「そっか! 臨床(りんしょう)検査(けんさ)技師(ぎし)か!」 「でも、俺がやりたい分野は女子のが有利らしいけどな」 「やりたい分野って?」 和臣は興味が湧いたのか身を乗り出して聞いてきた。 「生理検査。心電図とかエコーとかをまとめてそう言うらしい」 「ふーん。でも、なんで検査技師にしたんだ? 放射線技師なら男多いだろ?」 「興味わいたんだ。臨床検査ってすげー奥が深そうなの。それに……」 「それに?」 普段、あまり自分の話をするタイプではないのでこうやって聞かれると、少し照れる。 「……病気を一番に見つけてあげられたらと思っただけだ。でも、医者志望のお前に言う話じゃねーよな」 思わず自分のことを話しすぎた気がして恥ずかしくなり少し視線を外すと、和臣が頬杖をついたまま歯を見せて笑った。 「がんばれよ! 陽斗なら大丈夫だよ」 俺はとことん現金だ。 和臣がそう言うだけで頑張れるし、気分が一気に浮上する。 「おう」 今の俺にはそう答えるだけで精一杯だけど。

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