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偽りの窓の外 11

そんな時、机の上に置いてあった和臣のスマホがメッセージを受信する音が聞こえた。 こういうとき、勘の良い自分が嫌になる。 そして、和臣に対して洞察力が鋭いところも自分の嫌なところだ。 何故ならば。 画面を見た和臣の顔が一瞬綻んだ気がしたからだ…───。 嫌な予感がする。 そう思いながら、和臣を見ていた。 すると俺の視線に気付いた和臣は少し照れたように笑いながら言ったんだ。 「先週から付き合い始めたんだ。一個下の部活の後輩」 この瞬間が訪れるたび、言い様のない絶望感に苛まれる。 感情を顔に出さないように必死で筋肉を動かし笑顔を作った。 「そっか。よかったな」 和臣に気付かれないように、不審に思われないように、胸に渦巻く黒いものを必死に押し殺す。 これは自然の摂理で当たり前のことなのだから。 和臣と彼女の姿を思い浮かべ、こんなに苦しい想いをしても、友達としてでも和臣の近くにいることを選んだのだから。 これは幾度となく通る道なのだ。 そう自分に言い聞かせ、付き合うようになった経緯を和臣が話すのを聞きながら数学の課題に視線を落とした。

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