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偽りの窓の外 12

そして一通り話し終えると、今度は和臣が聞いてきた。 「陽斗はどうなんだ?」 「え、なにが?」 「彼女とか作らないのか?」 和臣に彼女ができる度に聞かれる質問だった。 「俺はまだいいよ。和臣みたくモテねーし」 「そんなことねぇよ。女子によく陽斗に彼女いるか聞かれるぜ?」 「そんなの大半はお前狙いだろ?」 「そんなことないと思うぞ。陽斗って綺麗な顔してるし、背もそれなりにあるし、現にクラスの女子だって同じこと言ってたし。綺麗で線が細いとこが素敵だって」 「綺麗って言われて喜ぶ男がいると思うか?」 そう言いながらまた数学の課題に視線を移すと、和臣はメールの返事を打っていた。 和臣は端正な顔立ちもさることながら長身で頭もよくスポーツだってできた。 綺麗な艶のある黒髪は目にかからないくらいに切り揃えられていて清潔感があり、人の目を惹き付ける。 それに家が病院で、自身も医師志望とあればモテないわけがない。 しかし何故かいつも和臣は彼女と長続きしないことが多かった。 早くて2週間、長くとも1ヶ月と続かない。 決して和臣が相手に不義理なことをしているわけでもなく、何故かうまくいかなくなるのだ。

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