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偽りの窓の外 21
「だからヤるんだ?」
「そ、そんな綺麗な顔して露骨に言うなよ!」
顔は関係ないと思うけど、俺には和臣に対して優しい言葉をかけてあげられるほどの余裕はなかった。
「で、何が聞きたいの?」
すると照れたように俯いたままの和臣がぼそっと呟くように言った。
「…………コンドーム買うの、ついてきてほしい」
それからの会話はあまり覚えていない。
コンドームを買うだけの為に電車に乗って少し離れたコンビニに行って、おどおどしながら週刊漫画雑誌とコーラとゴムを一緒に買う姿を遠くから見ていた。
俺の中では張りつめていた糸が音を立てて切れた気がした。
今までだって想像しなかったわけではなかったじゃないか。
和臣に彼女が出来るたびに、キスだってセックスだっていつかはするようになるんだろうって。
そしていつかは和臣は誰かと結婚して子供だって出来るんだって……。
俺はその相手には絶対になれないけど、親友ならばいつもそばにいることができるからって、それを望んだのは自分じゃないか。
でも現実はあまりにも残酷で、想像なんかとは全然違う重みがあった。
彼女と初めてのセックスをするためにコンドームを買いこんでいる和臣を見ているだけで、これだけ傷つくなんて夢にも思っていなかった。
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