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偽りの窓の外 23

和臣と駅でわかれ、どっと後悔が押し寄せる。 いっそのことめちゃくちゃに気晴らししに行こうかとも考えたけど、そんな気分にもなれなかった。 「……冗談、か」 和臣の言葉が重く心に刺さる。 何度、この当たり前なことを考えてきたんだろう。 和臣は俺とは違う。 女が好きだし、キスだってセックスだって女とする。 いつかは結婚して子供もできる。 想像しているうちは耐えられると思っていた。 親友という確固たるポジションでいつまでも和臣のそばにいられたら幸せだって思っていた。 でも、それはあくまで想像であって、現実を垣間見て耐えられる自信がなくなった。 たったこれだけのことで傷つくんだ。 ほんの僅かな大したことのない出来事だ。 でも口を開けばため息ばかりで、張りつめていた糸が切れた今は少しのことで何もかもが崩れ落ちていく。 …………親友の顔をしているのも疲れた。 ──そんな日だった。 帰ったら、珍しく両親が揃って俺を待っていた。 そして父が静かに告げたんだ。 「私たちは離婚することになった。どちらについていくかは陽斗が決めなさい」 そして、俺は母と一緒にこの街を離れることを決めた。

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