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面影の数だけ微熱が残る 1
それから俺は幾度となくもやもやしたものを抱えながら数年の月日を費やした。
あれから慌ただしく母方の祖母の家に引っ越し、編入手続きなどで高校最後の夏休みは潰れた。
そして編入先の高校で残り短い高校生活を過ごし、祖母宅から通える範囲にある医療系専門学校に進学した。
編入先の高校では俺の進路にとやかく言う先生はいなくて、むしろ成績優秀で将来をはっきり決めているからと放任されて助かった。
和臣とは最後に親の離婚に伴って母方の祖母の家に引っ越すことになったことだけをメールで告げ、それから一度も連絡を取っていない。
幾度となく和臣からは電話やメールがあったが返事をしないうちにそれも途絶えてしまい、携帯も変えた。
半ば逃げたようなものだ。
現実を見るのが怖くて目を瞑っているうちに引っ込みがつかなくなってしまったのもある。
風の噂で医大に入ったことだけは知っていたが、それ以外は知らなかったし知ろうとはしなかった。
和臣のプライベートな話を聞いてしまったら、苦しくなるのは自分だとわかっているからだ。
あれから何年も経っているのに、俺の心はいまだに弱い。
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