25 / 250

面影の数だけ微熱が残る 2

そして俺は一昨年の春、専門学校を卒業し、無事に国家試験に合格して晴れて臨床検査技師となった。 就職先は700床規模の大学附属病院で、最初の配属は血液や尿など検体検査を中心とした中央検査室だった。 まず最初に取り組んだのは1日400~500人にも及ぶ採血業務で、担当者が数ヶ所のブースにわかれて順番にオーダーされた検査項目に従って採血を行っていく。 うちの病院は新人の研修に検査部の各部署を約2~3か月ごとにローテーションして回り最終的に正式な配属先が決まる。 この研修で臨床検査技師として必要な基礎を学び身につけるのだ。 俺は中央検査室から始まり、輸血関連部門、病理検査部、微生物検査室、生理機能検査室と回っていく予定だった。 面接時に希望したのは生理機能検査で、最終的には超音波検査士というエコーの資格を取りたいと考えていた。 ──そして約1年の研修期間を終え。 俺は当初から希望していた生理機能検査室に正式に配属されることとなった。 「それでは、野村(のむら) 陽斗(あきと)くんの正式配属にカンパーイ!!」 今日は生理機能検査室の先輩方が俺の正式配属の歓迎会を開いてくれていた。

ともだちにシェアしよう!