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歯車は噛み合わない 1

あれからマサルとは気が向いたら会う関係に戻り、幾日か過ぎていた。 今日は同期と馴染みの居酒屋に来ている。 就職してすぐのころ、病院全体の新入職職員が対象となった飲み会が何回かあったのだが、そこで意気投合した仲間で月に1~2回くらい飲み会をしている。 いつも集まるメンバーは自分を含めて4人。 同じ臨床検査技師で病理(びょうり)部所属の上原(うえはら)は小ざっぱりとした女性技師でサバサバした性格の姉御肌だ。 その上原がいつも世話を焼いているのが、ふわふわっとした容姿と同じく中身もどこか危なっかしい外来所属看護師の神崎(かんざき)。 そして自称そこそこイケメンと言っているが、この女性二人になんだか残念だと言われてしまっている放射線技師の藤森(ふじもり)。 定期的に集まっては、近況やお互いの仕事の話、時には恋愛話から日頃の愚痴などバラエティーにとんだ話を飲みながらしている。 今日も行きつけの居酒屋で飲んでいると、神崎が今日外来で見かけた製薬会社のMRの話に花を咲かせていた。 「ほんと、カッコよかったんだ~。大手製薬会社だったし絶対にお給料もいいと思う!! ボールペンいっぱい貰ったし」

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