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歯車は噛み合わない 2
神崎は稼ぎの良さそうな男にめっぽう弱い。
その相手の容姿が良ければ尚更だ。
「出た! 朋 の玉の輿狙い! そういう男は性格にきっと難があるからやめなさい!」
「えー、なんで? 彩月 ちゃん見てもないのに決めつけて~」
「見なくてもわかるわよ! 稼ぎの良くて顔もいいなんて女癖悪いに決まってる」
「えー、そんな感じじゃなかったもん。出来る営業! って感じだったもん」
基本的に恋愛体質の神崎は惚れっぽい。
上原は心配して耳の痛い話をしては、こうやって言い合いになり、それに藤森も便乗するのがお決まりの流れだ。
「神崎の玉の輿狙いも相変わらずだな。つか、こないだの銀行員はどうしたんだよ」
「もう、藤森くんまでうるさいな! 残念男子のくせに」
「残念男子ってなんでだよ。俺の彼女に謝れ! つか、野村も涼しい顔して飲んでねぇで俺の援護をしてくれよ!」
「いや、俺は向こうの派閥だから」
「裏切者~」
いつもこんな風に賑やかで、このメンバーは男女の隔たりとかもなく気楽になんでも言い合って楽しく飲める仲間だ。
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