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温もりが欲しいとか言えない 6
「改めて、はじめまして。河北です。今日は朋ちゃんに誘われてきたけど、陽斗とは元々友人なんですよ」
「あ、千葉です。河北さんは陽斗の知り合いなんですか?」
「そうそう。あ、これ名刺ね」
賢はポケットから名刺を取り出して和臣に一枚渡した。
「俺、学生なんで名刺とか持ってないんですけど」
「千葉くんは学生なの?」
すると神崎がすかさず和臣が医学生だということを教えた。
「いいよ。気にしないで。千葉くんは未来のお医者さんなんだね。医師になったら宜しくね」
「製薬会社のMRさんなんですね。新薬の話とか聞きたいです」
「薬興味ある? やっぱ医者の卵だね。陽斗は僕の話なんて興味持ってくれないからね」
軽く賢が笑うと和臣が尋ねた。
「陽斗とはいつ知り合ったんですか?」
「知り合ったのは僕が大学に入ってすぐだから陽斗は高2かな?」
「余計なこと言うなよ」
またよそ行きの“僕”とかいう賢に苛々して俺が釘を刺すように言うと、賢はケラケラと笑った。
「僕にはツンツンすんの。ま、可愛いと思うけどね」
「へー、いつも陽斗と一緒にいたけど、河北さんみたいな知り合いがいたとは知らなかったなぁ」
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