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残酷さえも手放せない 12
耳に残る言葉に、バクバクと心臓がはねる様に鳴り響き、息が詰まる。
思いがけない言葉で、一気に胸が沸騰するように熱くなり両手で顔を覆った。
部屋が暗くてよかったと思う。
止めどなく溢れる想いは苦しいくらいに胸を埋め尽くした。
やっぱり、好きだ。
和臣が好きだ。
心底、和臣が好きだと思った。
例えこの想いに応えてくれなくても、
その目に愛情をもって見つめられることがなくても、
この手に触れられなくても、触れてもらえなくても、
構わないくらい、やっぱり好きなんだと思ったんだ。
でも、それと同時に裏腹な思いも心に根をはっていく。
愛情と紙一重の感情は、勘違いさせないでくれと叫んでいた。
そんな言葉を聞いてしまったら、うっかり間違いそうになってしまう。
そして図々しい思い込みをしてしまいそうになるから。
だから、お願いだから。勘違いさせないで欲しい。
……なんて、そんなことを言ってもしょうがないのだけど。
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