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儚く溺れる 13

そうすれば、普通の友達として和臣と接することができるんじゃないか……。 そんなことを思っているうちに電話が切れて、同時にこんなことを考える自分に物凄く嫌気がさし反吐が出そうになる。 それは賢の気持ちを踏みにじるだけでなく、自分勝手に利用する最低な行為だ。 はぁーっと大きなため息をつく。 置き場のない気持ちは辛くてたまらない。 こんなに辛いなら、いっそのこと告白して振られた方がよいかもしれない。 本当の自分を知られ、そういう目で和臣をみていたことを嫌悪され、和臣に心底嫌われたら悩まずにすむのに。 そして全て終わりに出来るのに。 そんなことはわかりきっていることで、逆にこれくらいのことが起きなければ終わりに出来ないこともわかっている。 でも、矛盾しているけれど、それらを望んでいないのも自分自身なんだ。 ゲイだということも、和臣が好きだということも、決して変わることはないけれど。 でもそれはやっぱり、和臣にだけは知られたくないと思った。 生きざまを恥じているわけではない。 けど、和臣だけには知られたくない。 そんなことを思う俺はやっぱりズルいんだ。

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