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もの憂いげな純情 3

戻れるわけがないのに。 そんなことが出来るわけないのに。 もう前みたいな友達に戻れるわけもなく、友人という立場にすらいられないというのに。 それから1週間、2週間、3週間と過ぎて行く中……。 あれから和臣からは何の連絡もない。 これが答えであり、当然だと思いながらも胸が痛い。 諦め時だと神様が言っているのだと、そう思った。 そんなことを思いながら日々、過ごしていたときだ。 病院の廊下を歩いていて角を曲がったとき、誰かとぶつかり、その人が持っていた荷物が床に散乱してしまった。 「すみません。怪我はないですか?」 「だいじょうぶです。私もよそ見してて……」 散乱した荷物を集めながら顔をあわせれば、そこに座りこんでいたのは和臣と同じ寮に住むあの女性だった。 小柄な彼女は長い白衣の袖をおり、長くてふわふわした髪はひとつに纏められていて可憐な私服のときとはまたイメージが違い活発そうに見える。 「あ……」 思わず声が漏れると、それは彼女も同じだったようで、また以前にもそうされたように何も言われないままじっと見られている。 だから、なぜ睨まれないといけないのか。

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