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もの憂いげな純情 7

賢に言われなくとも、それが明確な答えだってことはわかっている。 痛感しているからこそ言い返す言葉に詰まったまま黙りこんでいると、静かに俺に言い聞かせるような賢の声が電話越しに響いた。 『それでも、陽斗があいつを想い続けるっていうならオレは付き合いきれないよ』 突き放されるような言葉に俺がまた何も言えずに黙っていると、今後は賢の少し優しい声が聞こえてきた。 『でも、少しでもオレに気持ちがあるなら大切にするから』 そう静かに言うと、賢はまた電話するね。と言って電話を切った。 通話が終了した画面を見つめながら、これは自分に課せられた罰のような気がした。 賢の気持ちをないがしろにして、俺は自分の欲望だけを重ねてきた。 俺のしてきたことを思えば、もう何も言えないし、言う資格もない。 自分で選んだことなのだからどうしようもないことだけど、俺は誰にも心を明け渡すことなくこれからも生きていくんだと思うと、改めて孤独だと感じた。 思い返せば、俺は幸せを感じたことがないかもしれない。 人並みのそれを味わったことはあっても、心の底から幸せを噛み締めた経験がない。 つくづく不幸体質な自分が相変わらず嫌だ。

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